ナッツに含まれるビタミンEとは?美容・老化防止にうれしい効果を解説

ナッツに含まれるビタミンEとは? 健康・美容


肌の調子が気になるとき、サプリや化粧品に頼りがちですが、体の内側からのケアもとても大切です。中でも、ナッツに含まれる「ビタミンE」は、美容と健康をサポートする強い味方。実は、ナッツはビタミンEを豊富に含む自然のスーパーフードのひとつです。

この記事では、ビタミンEとはどんな栄養素か、どんな美容効果があるのか、さらにどのナッツに多く含まれているかなどをわかりやすく紹介します。
美しさを内側から育てたい方、ナッツを健康的に取り入れたい方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

ナッツにはビタミンEが豊富!どんな栄養素?

ビタミンEは、脂溶性ビタミンの一種で、体内では強力な抗酸化作用を発揮することで知られています。私たちの体では、日々のストレスや紫外線、生活習慣によって活性酸素が発生し、それが細胞を傷つけて老化や病気の原因になります。ビタミンEはこの活性酸素を取り除き、細胞のダメージを防ぐ働きをしてくれます。

一般的に、1日に推奨されるビタミンEの摂取量は成人男性で6.5mg程度、成人女性で6.0mg程度とされています。

ナッツ類は、このビタミンEを多く含む食材の代表格。特にアーモンドは、100gあたり30mg近くのビタミンEを含み、これは成人の1日推奨摂取量を大きく上回ります。毎日少量を取り入れるだけで、肌の酸化ストレスを減らし、若々しい肌を保つサポートになるのです。

また、ビタミンEは脂質と一緒に摂ることで吸収率が高まる特性があります。脂質を適度に含むナッツは、ビタミンEを効率よく体に届ける食材として理想的なのです。


次章では、ビタミンEがもたらす具体的な美容・健康効果について詳しく解説していきます。

ビタミンEがもたらす美容・健康効果とは?

ビタミンEには「若返りのビタミン」とも呼ばれるほど、美容やアンチエイジングにうれしい効果が多くあります。ここでは、代表的な効果を3つご紹介します。

1. 肌の老化を防ぐ抗酸化作用

ビタミンEの最大の特徴は抗酸化作用です。肌の細胞は紫外線や大気汚染などの外的刺激によって酸化し、シミやシワの原因になります。ビタミンEはこうした酸化ダメージを防ぐ働きがあり、肌の老化をゆるやかにする効果が期待されています。

特にアーモンドやヘーゼルナッツなどに豊富なビタミンEは、継続的に摂取することでハリやツヤのある肌作りをサポートします。

2. 血行を良くし、くすみのない肌へ

ビタミンEには血行促進の作用もあります。血流が悪くなると、肌の新陳代謝が落ちてくすみやクマの原因になりますが、ビタミンEを摂ることで毛細血管の血流がスムーズになり、透明感のある明るい肌へ導きます。

冷え性や肩こりの改善にもつながるため、美容だけでなく日々の不調の予防にも役立ちます。

3. ホルモンバランスの調整を助ける

ビタミンEには、副腎や性腺のホルモン分泌をサポートする働きもあり、ホルモンバランスの乱れによる肌荒れやPMS(月経前症候群)などの改善にも効果が期待できます。特に女性にとっては、肌だけでなく体調全体を整えるための重要な栄養素です。


このように、ビタミンEは外見だけでなく、体の内側から美しさと健康を保つために欠かせない栄養素です。
次章では、どのナッツにビタミンEが多く含まれているのか、具体的な含有量を比較していきます。

ビタミンEが豊富なナッツはどれ?含有量を比較

ビタミンEを意識的に摂取したい場合、どのナッツを選べば良いのでしょうか?ここでは、代表的なナッツ類に含まれるビタミンEの量を比較しながら、効率的な摂取方法をご紹介します。

ナッツ100gあたりのビタミンE含有量(α-トコフェロール換算)

ナッツの種類ビタミンE含有量(mg)*特徴
アーモンド約31.0ビタミンEが最も豊富。美容目的で選ばれることが多い。
ヘーゼルナッツ約15.3抗酸化作用が高く、甘味があり食べやすい。
ピスタチオ約2.9さっぱりとした味わいで、間食に向いている。
カシューナッツ約0.4ビタミンEは少なめだが、亜鉛や鉄分が豊富。
くるみ約0.7ビタミンEは控えめだが、オメガ3脂肪酸が豊富で脳にも良い。
マカダミアナッツ約0.5ビタミンEは少ないが、パルミトレイン酸を含み、肌にうるおいを。

※数値は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」より引用

ビタミンE重視ならアーモンドが最適

上記の通り、アーモンドは他のナッツと比較して圧倒的にビタミンEの含有量が多いことがわかります。1日に数粒食べるだけでも、かなり効率的にビタミンEを摂取できます。

食べ過ぎに注意しつつ、バランス良く摂取を

ただし、ナッツは高カロリーな食品でもあるため、1日25〜30g程度の適量を守ることが大切です。ミックスナッツでいろいろな栄養素をバランスよく摂取するのもおすすめです。

ナッツに含まれるビタミンEを効率よく摂るためのポイント

ナッツに含まれるビタミンEは非常に優れた栄養素ですが、ただ食べるだけでは効率的に体内に吸収されないこともあります。ここでは、ビタミンEをより効果的に摂取するためのポイントをご紹介します。

1. 無塩・素焼きナッツを選ぶ

ナッツを選ぶ際は、無塩・素焼きタイプがおすすめです。塩分の多いナッツは、むくみや高血圧のリスクを高める可能性があり、美容目的には適していません。また、油で揚げたナッツは酸化しやすく、ビタミンEの働きを損なう場合があります。

2. ビタミンCと一緒に摂ると抗酸化力がアップ

ビタミンEはビタミンCと一緒に摂取すると、抗酸化作用が高まるといわれています。たとえば、アーモンドと一緒にオレンジやキウイ、パプリカなどのフルーツや野菜を取り入れると、効率よく美肌効果が得られるでしょう。

3. 加熱や保存状態に注意

ビタミンEは比較的熱に強いビタミンですが、高温・湿気・直射日光などの環境下では徐々に劣化してしまう可能性があります。保存時は密閉容器に入れ、冷暗所で保管するのが理想です。

4. 継続的に摂ることが大切

ビタミンEは脂溶性ビタミンのため、体内にある程度蓄積されますが、定期的に摂取することで安定した効果が期待できます。ミックスナッツなどを毎日少しずつ取り入れる習慣を作るのがポイントです。

ナッツでビタミンEを摂取する際の注意点と副作用

ナッツは自然な形でビタミンEを摂取できる優秀な食品ですが、いくら体に良いとはいえ、摂取方法を誤ると期待する効果が得られないどころか、健康を損なうこともあります。ここでは、ビタミンEに特化して注意すべきポイントを解説します。

1. ビタミンEの過剰摂取に注意

ビタミンEは脂溶性ビタミンであるため、体内に蓄積されやすい性質があります。通常の食事で過剰になることは少ないですが、サプリメントとの併用には注意が必要です。過剰摂取が続くと、次のような副作用が報告されています。

  • 吐き気・下痢・胃部不快感
  • 出血傾向(ビタミンKの働きを妨げる可能性)
  • 筋力低下や倦怠感(まれ)

厚生労働省が定める「耐容上限量(成人男性で1日900mg α-トコフェロール)」を大きく超えないように意識しましょう。

2. 加熱処理でビタミンEが減少することも

ナッツの種類によっては、焙煎などの加熱処理によってビタミンEが一部失われることがあります。ビタミンEの摂取を目的とする場合は、無塩・素焼きタイプか、生のナッツを選ぶとより効果的です。

3. 酸化したナッツは逆効果

ビタミンEは抗酸化作用がある一方、ナッツ自体が酸化すると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。酸化したナッツは独特のニオイや苦味があるため、以下のように保存に注意しましょう。

  • 密閉容器に入れ、冷暗所や冷蔵庫で保存
  • 開封後はなるべく早めに食べきる
  • 賞味期限を過ぎたものは避ける

4. ナッツの種類によって含有量に差がある

ナッツならどれでもビタミンEが豊富というわけではありません。特にアーモンドはビタミンEの含有量が多く、効率的な摂取源として知られています。くるみやカシューナッツにも含まれますが、量としてはアーモンドが圧倒的です。

まとめ:ビタミンEを賢く取り入れて、内側からキレイに!

ナッツは手軽にビタミンEを摂取できる、優秀な食品です。特にアーモンドはその含有量が高く、美容や健康を意識する方にぴったりの食材です。

ビタミンEには、強力な抗酸化作用によって細胞の老化を防いだり、血行を促進して冷え性や肌荒れを改善したりする効果が期待されています。日常的にナッツを適量取り入れることで、内側から健やかで美しい体づくりをサポートできます。

ただし、食べすぎには注意が必要です。適量を守り、酸化していない新鮮なナッツを選ぶようにしましょう。

おいしく、賢くナッツを食べて、ビタミンEの力で内側からキレイを目指しましょう!


補足:ナッツ以外でビタミンEが豊富なおすすめ食材

食品名含有量(100gあたり)特徴・ポイント
ひまわり油(サラダ油)約38.7mg油の中でトップクラスの含有量。加熱しすぎない料理に◎。
うなぎの蒲焼き約4.9mg良質なたんぱく質+ビタミンA・Dも豊富。夏バテ予防にも。
モロヘイヤ(ゆで)約6.5mg野菜の中でトップクラス。おひたしやスープに最適。
かぼちゃ(ゆで)約4.9mgβカロテンも豊富。ビタミンEと一緒に抗酸化力UP。
赤ピーマン(生)約4.3mg彩りと栄養を兼ねる野菜。生でも甘くて食べやすい。
アボカド約3.3mg不飽和脂肪酸+ビタミンEが豊富。サラダやディップに最適。
たらこ(焼き)約7.3mg魚卵系は意外に豊富。塩分に注意しつつ適量を。
植物油(綿実油、大豆油など)10〜30mg超サラダや炒め物に使うだけで効率よく摂取可能。
しそ(青じそ・ゆで)約3.0mg薬味にするだけで栄養補強。ビタミンKやカルシウムも。


参考文献

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

食品成分データベース
食品成分データベースは、食品成分に関するデータをインターネットを通じて提供しているものです。
ビタミンEの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
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