ナッツは「健康に良いおやつ」として注目を集めています。しかし、「体に良いから」とつい食べ過ぎてしまっていませんか?実は、ナッツは食べ方や量を間違えると逆効果になることもあるのです。
本記事では、ナッツの栄養価や1日に食べるべき適量、効果的な摂取方法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。ナッツを正しく食べて、毎日の健康に役立てましょう!
ナッツの健康効果と「適量」の重要性
ナッツはビタミンE、食物繊維、オメガ3脂肪酸、マグネシウムなど、健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。特に、良質な脂質(不飽和脂肪酸)が多く、血管の健康や中性脂肪の低下に効果的です。
ただし、注意点も。
ナッツは高カロリー食品。たとえばアーモンド100gには約600kcal、マカダミアナッツでは700kcal近くになることもあります。適量を守らないと、健康どころか肥満や体調不良の原因になりかねません。
ナッツを食べすぎるとどうなる?
ナッツの主成分のひとつである脂質は、1gあたり9kcal。これは、炭水化物やたんぱく質(1gあたり4kcal)と比べても、非常に高カロリーです。
表.各種ナッツ100gあたりの脂質とカロリー
ナッツの種類 | 脂質(g) | カロリー(kcal) |
---|---|---|
アーモンド | 50.0 | 606 |
くるみ | 68.8 | 674 |
カシューナッツ | 47.6 | 576 |
マカダミアナッツ | 76.7 | 721 |
ピスタチオ | 56.1 | 615 |
※上記の表のカロリーは脂質だけでなく、他の栄養素に含まれるカロリーも含んでいます。
これだけで、1日分の脂質摂取量をオーバーしてしまうことも。
▶ 成人の1日に必要な脂質量の目安
- 成人男性:約60〜90g
- 成人女性:約50〜70g
さらにナッツには食物繊維も豊富なため、過剰に食べるとお腹が張ったり、消化不良を起こしたりする可能性もあります。
筆者の体験談
筆者自身も、かつて「ナッツ=健康に良い!」という思い込みで、1日150gほどのミックスナッツを毎日食べていた時期がありました。その結果、体重増加とお腹の不調(特に下痢)に悩まされることに…。やはり、いくら体に良い食品でも、食べ過ぎはNGということを実感しました。
有塩ナッツの落とし穴 ― 塩分過多に注意
ナッツ製品の中には、味付けされた有塩ナッツも多く出回っています。お酒のおつまみにもぴったりですが、塩分の摂りすぎには要注意です。
▶ 塩分の摂取目安(厚生労働省推奨)
- 成人男性:7.5g未満/日
- 成人女性:6.5g未満/日
ナッツ自体にはそれほど塩分はありませんが、加工された有塩ナッツには1袋で1g以上の塩分が含まれることも。これを頻繁に食べていると、塩分摂取が過剰になり、以下のようなリスクを高めます。
- 高血圧症のリスク増加
- 動脈硬化や心疾患のリスク
- むくみや脱水症状
健康目的でナッツを取り入れるのであれば、無塩・素焼きタイプを選ぶのがベストです。
ナッツを上手に摂取するコツ
多くの専門機関が推奨しているナッツの1日の適量は約25g(ひとつかみ程度)です。
▶ ナッツ25gの栄養価(例:ミックスナッツ)
- カロリー:約170〜180kcal
- 脂質:約14g
- 食物繊維:2〜3g
- ビタミンE、マグネシウム、オレイン酸なども豊富
この量であれば、1日に必要な脂質量のうち、約20~30%を良質な脂質で補える計算になります。
適量摂取による主な健康効果
- LDLコレステロール(悪玉)の低下
- 中性脂肪の減少
- 血管の柔軟性維持(オメガ3やオレイン酸による)
- 腸内環境の改善(食物繊維の効果)
※上記は「無塩・素焼きナッツ」を前提とした場合の効果です。
おわりに
ナッツは、栄養価が非常に高く、健康維持に役立つスーパーフードです。ただし「体に良いから」と過剰に摂るのではなく、毎日の適量を守ることが重要です。
- 1日の目安は約25g
- 無塩・素焼きタイプを選ぶ
- 摂取量は他の食事の脂質量と調整する
これらのポイントを押さえつつ、美味しく・無理なくナッツを生活に取り入れてみてくださいね!
参考文献
・文部科学省「食品成分データベース」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
策定検討会報告書(正式名称:令和6年版 日本人の食事摂取基準)
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